下肢静脈瘤・むくみ外来:土肥俊一郎
専門は心臓血管外科にて静脈瘤に対しても古典的治療から始め20年余の診療経験を有します。また静脈瘤に対する血管内治療に関しては三原にて地域に先駆け2012年1月より保険適応の下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術を開始し、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の実地基準による指導医を取得しています。2014年12月には次世代の血管内治療で、それ以前の血管内治療に比べ術後の痛みや皮下出血が格段に少ないと期待されている高周波(ラジオ波)血管内焼灼術を広島県東部で初めて開始しました。おかげさまで2017年現在にて高周波治療(ラジオ波血管内治療)累計約600例、血管内治療は初期のレーザー治療から数えると1000例を優に超えています。尾三地域の日帰り下肢静脈瘤血管内治療に関しては随一の症例数と自負しており、最近では島根県、岡山県など隣県からの患者さんも数えるようになりました。また動脈疾患(閉塞性動脈硬化症などの血管のつまり)などに関しても現在までの豊富な経験を生かし、診察いたしております。
これからも地域の静脈瘤診療のリーディングフロンティアとして今までの豊富な治療経験を生かし、高亀医院にて尾道地域の皆様にも安全かつ負担の少ない最新の治療を受けていただけるよう誠心誠意診療させていただきます。是非お気軽にご相談ください
1996年 | 東邦大学医学部医学科卒業 |
同年 | 東邦大学医学部付属大橋病院 心臓血管外科 |
2003年 | 岡山大学医学部付属病院 心臓血管外科 |
2004年 | 医療法人清幸会土肥病院 病院長 兼心臓血管外科 兼循環器科 |
2014年 | 医療法人社団樹良会高亀医院 心臓血管外科 兼循環器科 |
毎週水曜日 午前(9:00~12:30) 午後(14:00~18:00)、土曜日午前(9:00~12:30)
*水曜日午後14:00~16:00過ぎ、土曜日9:00~11:00過ぎはラジオ波焼灼術を行っている場合がございます。
詳しくは以下までお問い合わせいただき、予約をしていただけるとスムーズに受診していただけます。
高亀医院 電話:0848-37-3102 まで下肢静脈瘤外来受診希望とお伝えください。
*診察にかかる時間は静脈エコー(超音波)検査まで含めて20分余りです。
以下に当院で実際に日帰り治療を受けられた患者様の術前、術後1ヶ月の比較写真を掲載させていただきました。
(写真はあえて治療前に見た目がひどい方を選んでいます)
(写真上)このようにコブ(静脈瘤)がひどくても
日帰り治療で十分に治療を行うことができます。
1ヶ月でこのようにきれいになられますと、
治療を行う側からしても感動的でさえあります。
(写真右)このように両足ともに瘤が目立つ方も
豊富な経験から短時間で的確に同時に治療しております。
治療前の写真にて左足に絆創膏を貼られておりますが、
静脈瘤のかゆみにて掻いて出血したものと思われます。
両下肢同時の日帰り治療後1ヶ月です
下肢静脈瘤とは立った時に足の血管がこぶ(瘤)のように浮き出ている状態のことをいいます。足は第二の心臓と呼ばれ足の静脈と筋肉によるポンプ作用により上手に心臓へと血液を送っていますが、このメカニズムがうまく働かない場合下肢静脈瘤になります。足で使い切った静脈内の汚れた血液は通常重力に逆らって心臓へと上むきに帰って行きますが、血液が再び下へと降りて行かないように静脈の中には弁が付いています。この弁が壊れることによって足に汚れた血液が逆流し、その結果足は汚れた血液で溢れかえり静脈がこぶのように膨らんでしまうのです。下肢静脈瘤は良性疾患ですが見た目以外にも以下に述べる多彩な症状を引き起こすため、患者さんの日常生活に負担をかけている場合が多々有ります。
くもの巣状
網目状
側枝型
伏在型
下肢静脈瘤には上記のごとく4つのタイプがあります。左が軽症例で右に行くほど重症例となります。くもの巣状静脈瘤と網目状静脈瘤はほぼ見た目の問題で気になる方は後述する注射のみの硬化療法を外来にて行います。右側の側枝型静脈瘤の一部、伏在型の静脈瘤に関しては見た目以外のほかの症状を伴いますので、後述する血管内治療などを行う必要があります。
皆さんが下肢静脈瘤に初めて気付くのは足をよく見てみたらこぶがあった、もしくは他人よりこぶがあるよと指摘された場合などではないでしょうか。また以前よりこぶがあるけど放置していたというのもよくあります。下肢静脈瘤は見た目以外にも以下に挙げるような多彩な症状を合併し、患者さんの日常生活に悪影響を及ぼします。日中座っていたり立っていたりすると常に汚れた血液が下肢に溜まってしまうため、下肢静脈瘤の症状は夕方から夜にかけて悪化します。また皮膚表面からはこぶがはっきりしなくても、実際にエコー検査をしてみると皮膚の下の見えないところにたくさんコブがあり静脈が逆流している場合も多々有ります。気になる方は一度診察を受けられてください。
足の血管が浮き出て見える | ふくらはぎがだるい、疲れやすい、重苦感 |
足のむくみ、はれ、痛み | 足がほてる、熱く感じる |
夜、足がつる(こむら返り) | 足のむずむず感、不快感、痺れ |
足の色素沈着(茶色くなる) | 足のかゆみ、湿疹 |
足の皮膚が硬くなり皮膚炎を起こす | 足の潰瘍(かいよう、皮膚がむける) |
かゆみを伴う発疹、色素沈着
一般的な下肢静脈瘤
下肢静脈瘤による下腿潰瘍
下肢静脈瘤は、40歳以上の女性に多く認められ、年齢とともに増加していきます。日本人では全体で約1割=10人に1人(男性4%、女性12%)に認められ、患者数は1000万人以上と推定されます。また、出産経験のある女性の2人に1人が発症するとも言われており、下肢静脈瘤はまだまだ認知はされていませんが実は身近な病気なのです。立ち仕事、特に1ヶ所に立ってあまり動かない仕事(調理師・美容師・販売員など)は男性でも発症しやすく、特に1日10時間以上立っている人は重症化しやすい傾向にあるので注意が必要です。
高齢者 | 女性 |
家族に下肢静脈瘤(遺伝) | 妊娠 |
出産歴 | 立ち仕事 |
肥満 | 便秘 |
下肢静脈瘤の危険因子
下肢静脈瘤は命にかかわる病気ではありません。動脈瘤のように破裂したりまた血栓が血流に乗って脳梗塞や心筋梗塞をおこしたり、足を切断することになったりはしません。しかしながら放置しておいて自然に改善することはなく、時間の経過とともに徐々に悪化していきます。足の静脈が逆流するのは機能的な異常なのでお薬などの内服では決してよくなることはありません。下肢静脈瘤は重症化すると湿疹や脂肪皮膚硬化症などの『うっ滞性皮膚炎』を合併しさらに悪化すると『潰瘍』となります。重症化して皮膚の色が変わったり(色素沈着)硬くなったり潰瘍を起こしている方はもちろん治療が必要ですが、回復が長引いたり皮膚炎の跡が残ることが多いですので特にお若い40~60歳台の方こそ早めの診察、治療をお勧めします。
うっ滞性皮膚炎 | 症状があってつらい | 見た目が気になる |
下肢静脈瘤の治療が必要な3つの場合
下肢静脈瘤の治療には保存的療法、硬化療法、血管内治療、手術の4つがあります。当院では患者さんの病状、年齢、生活習慣などに十分配慮しご相談の上それぞれの患者さんにあったできるだけ負担の少ない保険適応の治療を日帰りにて実施させていただいております。
保存的療法 | 生活習慣の改善、弾性ストッキングの着用の指導をします |
硬化療法 | 静脈瘤に薬を注射して固めます |
血管内治療 | 低侵襲で当院では高周波(ラジオ波)を用いる日帰り治療を行っています |
手術 | 古典的なストリッピング手術(静脈抜去術)が代表的な方法です |
*運動、マッサージなどによる生活習慣の改善
一箇所にずっと座り続けたり立ち続けたりしない、つま先の上げ下げ、ふくらはぎのマッサージ、立ち仕事中の休憩(横になる)、毎日歩く習慣をもつ、就寝時に枕などで足を少し上げるなどです。*弾性ストッキングの着用
医療用のストッキングで市販のストッキングよりきつく、足を圧迫することによって血液が足にたまるのを防ぎます。立ち仕事や外出中に弾性ストッキングを着用すると下肢静脈瘤の症状が軽くなります。当院には医師1名、看護師2名の弾性ストッキングコンダクター認定者がおりますので、フィット、病状に合わせたストッキングの選定、詳しい履き方の指導などをさせて頂いております、お気軽にご相談ください。 当院で販売させていただいており購入できます。
細い針を直接静脈瘤に刺して薬(硬化剤)を注入し、その後包帯や弾性ストッキングなどで圧迫し静脈瘤を潰してしまう方法です。前述した静脈瘤のうち軽いもの、くもの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤、側枝型静脈瘤の一部に外来にて短時間で行うことができます。しかしながらある程度進行した伏在型静脈瘤には無効であり、後述する血管内治療や手術が必要になります。
当院にて積極的に行っている治療法です。悪くなった逆流を起こしている静脈に細い管(カテーテル)を入れて、静脈の内側から熱を加えて静脈を焼いてふさいでしまう治療です。焼かれた静脈からの逆流はなくなり、その後半年程度で体に吸収されてしまいます。悪い静脈をふさいでしまっても、深部静脈と言う太い静脈がありこれを介して血液が体に帰って行くため困ることはありません。
血管内治療は局所麻酔及び軽い眠り薬にて1時間弱で終了するため体の負担は軽く後述する手術療法と比べ出血などの危険性もほとんどありません。日帰り治療で行います。当院では2014年6月に保険適応承認されたばかりの次世代の血管内治療で、それ以前の血管内治療に比べ術後の痛みや皮下出血が格段に少ないと期待されている高周波(ラジオ波)血管内焼灼術を広島県東部で初めて導入致しております。また大きく発達したこぶ=静脈瘤に対してスタブ・アバルジョン法といって2~3㎜程度の小さな傷によるこぶの切除を追加して行うことで、見た目も同時によくなるように心がけております。
カテーテル挿入
▼ 高周波(ラジオ波)治療の模式図
カテーテルを静脈に挿入する
カテーテルから熱エネルギーを放出し静脈壁を収縮させる
カテーテルを抜去し静脈壁が静脈を閉塞させる
当院の高周波(ラジオ波)
発生装置とカテーテル
実地施設認定証
指導医認定証
スタブ・アバルジョン法
古典的なストリッピング手術(静脈抜去術)です。当院では患者さんの体の負担を最小限に抑えるためできるだけ行いませんが、悪くなった逆流している静脈が著しく太く拡張している場合は高周波治療が効果的でない場合もありますので一部を高周波(ラジオ波)治療と組み合わせて行うことがあります。この場合もなるべく小さな傷で(10㎜弱)日帰り治療にて行っています。
下肢静脈瘤に対する高周波アブレーション治療は2014年夏に保険収載されたばかりの最新の治療です。
当院での治療費の目安はこちらになります。
1割負担で約\17,000
3割負担で約\50,000
1割負担で約\31,000
3割負担で約\93,000
http://www.think-vein.jp にて下肢静脈瘤に関するさらに詳しい情報が掲載されています。
また病院検索に当院が掲載されておりますので是非ご覧になってください。
以下までお電話いただき、予約をしていただけるとスムーズに受診していただけます。
高亀医院 電話:0848-37-3102 まで下肢静脈瘤外来受診希望とお伝えください。